TOEFL iBTなどの英語4技能試験対策として、ボキャブラリー学習は避けては通れません。しかし「単語帳では覚えられない!」「テスト前に暗記してもすぐに忘れてしまう!」というお悩みはありませんか?
英単語を覚えられない原因は「自分に合った覚え方」に出会えていないからかもしれません。そこで本記事では自分の知識に合わせて英単語を覚えられる「フレイヤー・モデル」をご紹介します。英語4技能試験でハイスコアを取りたい方、英単語を覚えるのが苦手な方は必見です!
本記事では「フレイヤー・モデル」の定義を紹介します。 実際にモデルを作成した例は、 次回の「教えて!ジェイソン先生」記事でご紹介します。
目次
英単語学習法「フレイヤー・モデル」とは?
「フレイヤー・モデル」は教育心理学者のドロシー・フレイヤー氏が生み出した学習法です。ボキャブラリーを分析して視覚的に外国語学習をすることができます。学習者1人ひとりのレベルに応じて言葉の意味の理解を助ける、いわば「パーソナル英単語学習法」です。
以下が「フレイヤー・モデル」です。
5つのセクションにはそれぞれ目的があります。
“Word(単語)”:覚えたい英単語を書く
“Definitions(意味)”:英単語の意味を書く
“Characterizations(特徴)”:英単語がどのようなはたらきをするのか、どのような状況で使われるのか、などを書く
“Examples(例)”:例文を書く
“Non-Examples(例ではない)”:覚えたい英単語と逆の意味の言葉や、英単語を表わさない状況などを書く
「フレイヤー・モデル」の5つのメリット
①学習者の知識レベルに合わせた覚え方ができる
「フレイヤー・モデル」では、学習者がこれまでの人生で培ってきた知識、似た言葉、浮かんだ状況、例文を使って英単語学習をすることができます。
たとえば”dissuade”という英単語を子どもに説明する場合は 「思いとどまらせること」と言うよりも、具体的に「危ないことをしそうな人を止めること」 と言った方が伝わりやすいはずです。一方で大人に対しては より一般的な意味である 「誤った決断や犯罪などを思いとどまらせること」と説明した方が適切に理解してもらえます。
このように、英単語の意味に対するイメージや理解しやすい言葉の選び方は、学習者の背景によって異なります。「フレイヤー・モデル」を使うことで、学習者は自分のレベルに合った覚え方が可能になります。
②自分と関連する内容やイメージで覚えることができる
「フレイヤー・モデル」は市販の英単語帳と違い、自分の好きなものや個人の経験と関連づけて意味を整理することができます。
たとえば”apprehensive”という英単語の意味は「不安」ですが、何を不安と感じるかは1人ひとり違います。 自分が想像する「不安」に対する ”Characterizations”や”Examples”を使うことで、より意味をイメージしやすくなります。
③視覚的に覚えられる
「フレイヤー・モデル」を使う際は、英単語に関連する簡単なイラストを描くこともおすすめします。英単語を視覚的に覚えられますし、実際に自分の手を動かして感覚を使うことで、より記憶しやすくなるという研究結果も出ています。イラストがあることで、英単語同士を一目で比較しやすくもなります。
④覚えたい英単語だけを覚えられる
市販の英単語帳にはすでに知っている英単語も載っていますが、「フレイヤー・モデル」を使えば、自分が覚えたい英単語だけを整理・分析することが可能です。覚えたい英単語に絞って学習したほうが時間を効率よく使うことができます。
⑤英単語を使う練習になる
英単語は覚えることが目的ではありません。最終的には自分で英文を組み立てる中で英単語を使えるようにならないと意味がありませんよね。そのためには、英語4技能試験を受けたあとも英単語の使い方を忘れないことが大切です。
「フレイヤー・モデル」で1つひとつの英単語の意味、特徴、例文などを時間をかけて考えることで、それぞれの単語を使う時間が増えます。英単語の意味と一緒に使い方も覚えることができるのです。
TOEFL iBT対策に役立つ理由
TOEFL iBTのパッセージでは科学や歴史など、さまざまな分野のアカデミック・トピックが扱われます。そして各分野には「よく一緒に使われる単語」が存在します。
たとえば科学なら”nuclear power(原子力)”と”generate(発生させる)”、歴史なら”colonization(植民地化)”と”exploit(開発/搾取)”などが挙げられます。
「フレイヤー・モデル」を使うことで、各分野で「よく一緒に使われる単語」同士を結び付けながら効率よく覚えることができます。
まとめ
ボキャブラリー学習は暗記の作業になりがちです。「フレイヤー・モデル」を使えば、自分のオリジナリティを発揮しながら楽しく英語学習ができます。
英単語を覚える手段はいくつかありますが、すべての人が同じようにものを覚えられるわけではありません。「フレイヤー・モデル」が自分に合うかどうか、ぜひ1度自分で作って試してみてください。
▼次回の「教えてジェイソン先生!」記事では実際に作った「フレイヤー・モデル」をご紹介します▼