2016年度第1回検定から、英検準1級の英作文の出題形式が変わりました。例年の合格率は約14%とかなり難関の準1級ですが、合格を勝ち取るためには何をすべきなのでしょうか?本記事では、形式が変更された英作文を必勝ポイントとして挙げ、その3つの変更点と2つの攻略法をご紹介します。
目次
3つの変更ポイント
変更ポイント① Eメール形式 → エッセイ形式
準1級の英作文は従来Eメール形式で出題されていましたが、今年度よりエッセイ形式での出題へ変更となりました。CEFRのB2レベル(高校生~大学生)との整合性を高めることが目的とされています。この変更により、大きく変わるのは解答のテンプレートです。論理的に分かりやすく自身の意見を述べる点では相違ありませんが、エッセイ特有の「序論→本論→結論」という構成に則る必要があります。
変更ポイント② POINTSの指定
新形式では英作文作成に際し、トピックに関連した4つの英単語(POINTS)が提示され、うち、2つの単語を使うよう指示されています。POINTSは与えられたお題について考えるための手掛かりともなり得るので、自分にとって使いやすい単語を慎重に選択しましょう。
変更ポイント③ 100語前後 → 120~150語へ
指定の語数が増えています。英単語で20語~50語多く書くことになりますが、どう語数数制限をクリアすべきでしょうか。実はエッセイ形式では、従来のEメール形式 では使わなかったつなぎ言葉(接続詞)を用いることになります。よって、実際に書いてみると、語数のボリュームとしてはさほど大きな変化を感じない可能性もあります。
新英検®︎準1級ライティング攻略の技
その① エッセイ用の雛形は必携!
時間の限られるテスト本番で「エッセイとは?」 とゼロから考えている暇はありません。脳内に持込み可能なテンプレートは、明快で美しい英作文を作成するのための必需品であり、時間との闘いで大きな武器になり得ます。
120~150語程度のエッセイであれば、以下のようなテンプレートで構成するといいでしょう。各段落ごとの目安の文字数も記載しているので、参考にしてみて下さい。
- 序論
・ I agree / disagree with the idea that ~ (英文で出題されるTOPICをはめ込む or 他の英単語で少し言い換える)
+ I have two reasons for this view.
=20語前後 - 本論 : 理由①
・ First of all / Firstly / My first opinion is + 要素① (指定のPOINTSのうち1つの英単語を使用する)
=50語前後 - 本論 : 理由②
・ Second / Secondly / My second opinion is + 要素② (指定のPOINTSのうち1つの英単語を使用する)
=50語前後 - 結論
・ Because of these reasons, I believe that ~ (英文で出題されるTOPICをはめ込む or 他の英単語で少し言い換える)
=20語前後
その② 具体的な表現を使う!
簡潔な表現を心掛けるべきだと先述しましたが、馴染みの無い話題に当たった場合、自分の意見を述べること自体が難しく、文字数が満たないという悩みが発生します。そんなときの突破法が、出来る限り具体的な表現で英文を作るということです。
たとえば、
・ People have discussed migrations.
(人々は、移民について話し合ってきた。)
という英文を思い付いたとします。この4語だけでも十分に意味は伝わりますが、より具体的に、5W1Hを描写していくといいでしょう。
・ People who live in Europe have seriously discussed migrations from African and East European countries.
(ヨーロッパの人々は、アフリカや東欧の国々からの移民について、真剣に話し合ってきた。)
どんな人が 、どんなふうに 、何を話し合ってきたのか、詳しく表現することで、英文の具体性が増すと同時に、使用語数も増やすことが出来ます。
文字数を満たすことが難しそうだ! と感じた際は、ごくごく簡単な英文を用意した後、具体化できそうな部分を見つけ、英単語を足していくことをお勧めします。
新形式の英検準1級のライティング問題はむしろ得点源
英語力を伸ばし、試験に合格することはもちろん大切ですが、分かりやすい英作文を作成する練習は、英語力だけでなく、自分の意見を論理的に伝える力も伸ばしてくれます。ぜひ本記事を参考に、合格率14%の壁を越え、英語力と論理的思考力を伸ばしていきましょう!
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