オーストラリア留学:カレッジ(専門学校)・大学の行き方

本記事では、専門的なスキルを学ぶ留学(専門学校・大学)をご紹介します。どのような資格が取れるのか、どんな学校があるのか、どうやって入学できるのか、なども含めてご紹介していますので、ぜひご覧ください。

オーストラリアのカレッジ(専門学校)

オーストラリアのカレッジはVET (Vocational Education and Training) と呼ばれ、職業に直結した技術や知識を高める教育機関として、各産業界と連携をとりながら世界市場で求められているスキルを身につけられるのが特徴で社会人の留学におススメです。また、日本の高校を卒業後、カレッジのディプロマ資格を1~1.5年で取得し、大学の2年次に編入することも可能ですので、大学進学のためのステップとして活用する留学生も増えています。

オーストラリアのカレッジは、公立と私立の2種類に分けることができます。公立のカレッジは、主にTAFE(Technical and Further Education) と呼ばれており、各州政府が運営しています。私立のカレッジは、政府の運営ではありませんが、観光業、ビジネス、デザインといった専門的な分野をユニークなカリキュラムをもとに学ぶことができます。

カレッジの入学条件

カレッジに入学するために必要な英語力は、IELTSで5.5~ 6.0(IELTSの詳細はこちら)、TOEFL iBTで60~80点(TOEFLの詳細はこちら)。 必要な英語力に達していない場合は、 付属または提携している英語コースに入り、コース開始前に英語力を上げることが可能です。入学時に求められる要件はコースによって異なりますが、通常は高校を卒業するまでの12年間の修学経験が必要です。ただし、初級レベルのコースでは高校1年または2年次修了で入学を認める場合もあります。

ディプロマ・コースからの 大学編入

日本の高校を卒業後、カレッジのディプロマ・コースを1〜2年間受講し、大学の2年次に編入することができます。

〜カレッジで取得できる資格一覧〜

学位・資格期間(目安)期間(目安)
CertificateⅠ4カ月~6カ月日本の高校レベルの初歩的な資格。
CertificateⅡ6カ月~8カ月日本の高校レベルの初歩的な資格。
CertificateⅢ約1年日本の高校卒業レベルで、専門性を身につける資格。
CertificateⅣ1年~1年半日本の高校卒業レベルで、専門性を身につける資格。
Diploma1年~1年半日本の大学レベルで学士に次ぐ資格
Advanced Diploma2年~3年日本の大学レベルで学士に次ぐ資格
Bachelor Degree(学士号)3年~日本の4年制大学卒業に相当する基本学位。
Vocational Graduate Certificate半年日本の大学院レベルの資格。アドバンス・ディプロマや学士号などの特定の学歴と職歴を1年以上持っていることが入学条件。 
 Vocational Graduate Diploma 1年日本の大学院レベルの資格。アドバンス・ディプロマや学士号などの特定の学歴と職歴を1年以上持っていることが入学条件。 
Masters Degree(修士号)通常1~2年 リサーチまたはコースワークにより専門性を深く追求する。

オーストラリア大学進学の特徴

その1〜大学で学ぶ「5人に1人が留学生」〜

オーストラリアの大学の最大の特徴は、大学で学ぶ「5人に1人が留学生」という国際色豊かな環境です。アメリカ、イギリスに次いで大学における留学生が多い、オーストラリアでは、インターナショナルな環境で専門分野の学習・研究に集中して取り組むことができます。

その2〜世界トップクラスの大学〜

オーストラリアには37の国公立大学と4校の私立大学および2校の海外大学の分校があります。その国際的な評価の高さは、人口が少ないながら14人もの「ノーベル賞受賞者」がいるところにも表われています。

国際的な大学評価機関QS Quacquarelli Symondsが発表する「世界の大学ランキング2018」では、オーストラリアの7つの大学がトップ100にランクインしています。

その3〜卒業後はオーストラリアで就職のチャンスも〜

オーストラリアの大学で学位を取得後、オーストラリア国内での終了が可能なPost Study Work Visaの取得が可能です。オーストラリアで働くことで、海外で実務経験を積むことも可能です。

また、日本国内での留学経験者の採用ニーズの高まりに伴い、株式会社マイナビにより「Japan Career Fair in Sydney」をはじめ、近年日系の就職イベントが開催されています。

オーストラリアの大学に入る方法

オーストラリアの高校では、最終学年までに日本の大学1年生で履修する「一般教養課程」も修了してしまうのが、日本の高校・大学システムと大きく異なる点です。そのため、日本の高校を卒業後するだけではオーストラリアの大学への入学基準を満たさない場合があります。

オーストラリアの大学では1年次から専門分野の科目を履修し、通常3年間(専攻によっては4~5年) で学士号を取得する流れになっています。また、オーストラリアで大学の学位取得を目指すルートには、以下の方法があります。

①大学進学準備コースから大学 1年へ

大学に設けられている進学準備コース(ファンデーションスタディ・コースとも呼ばれる)は、留学生対象のコースで、専攻分野の基礎知識、ディスカッションの進め方やリサーチ方法、レポートや論文の書き方といった、オー ストラリアの大学で勉強するために必要な「学習スキル」を学びます。期間は 通常約1年間で、規定の成績を収めれば、コース修了 後に大学学部の1年目に入学することができます。

②ディプロマから大学 2年への編入

カレッジや大学のディプロマ・コースを1〜1.5年間受講し、規定の成績を収めれば大学の2年次に編入できます。専攻分野に関連する科目の単位を取得した場合、編入学時に規定の範囲で単位を移行することができます。そのため、ディプロマ1-1.5年間+大学2年間の計4年以内で学士号の取得が可能です。

特に公立カレッジの場合は大学よりも費用が安く、大学の進学準備コースを経由するよりもカレッジのディプロマ・コースから編入した方が学費を節約できます。

③大学 1年へ直接入学

日本の高校で高い成績を収め、英語力要件を満たしている場合、大学学部1学年に直接入学できる大学も増えています。IB(国際バカロレア)ディプロマや大学入試センター試験のスコアなど、大学によってその要件は異なるため、志望校に入学必要条件を確認する必要があります。

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オーストラリアは、国が教育そのものを一つの産業として考えていることもあり、その質を保つためのシステムが整っているのが大きな特徴です。また、カレッジ(専門学校)・大学への進学方法はいくつかあり、目標、英語力、予算などによって選択できることも留学生にとって大きなメリットになります。留学から帰国した後の目標(キャリアプラン)に応じて、留学中に何をすべきか(成し遂げたいか)を準備段階で明確にして、最適な留学方法を選びたいですね。

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