従来のセンター試験の「英語」は受験英語が中心でしたが、共通テストの「英語」は英語民間4技能試験と近い実用英語が中心の試験となりました。
そこで、シリーズ「共通テストと4技能試験の『英語』の問題をくらべてみた」では、両テストを比較した上で、共通で対策できるポイントを解説していきます。両テストがよく似た問題であることがわかれば、最小の負担で両試験の効率的な対策ができます。第1回となる本記事では共通テストの「英語」と英検®︎準2級の問題を比べてみました。
※本記事で使用する資料は、実際の共通テストおよび英検®︎ではありません。
共通テスト「英語」の問題形式を解説
まずは共通テスト「英語」のリーディングの問題形式から1問ご紹介します。学生同士によるショートメッセージのやり取りが題材です。
【受験生必見アドバイス!】
試験全般において、以下の順番で解き進めることが大事です。
①設問 / 選択肢を読む
②長文 / 資料に目を通す
③解答する
最初に長文や資料を読むのではなく、先に設問や選択肢を読むようにしましょう。
設問
問1. Jackの頼みごとは何か
問2. Jackから送られてきた2番目のメッセージについて、どのような返信をすべきか
※実際は選択肢問題
資料
解答のポイント
・ショートメッセージすべてを読む必要はない。
・問1は1番目のふきだし、問2は3番目のふきだしを読むだけで答えられる。
・問1は「Jackの頼みごと」をピンポイントで拾う力が求められる。1番目のふきだし全体をざっと読み、”can you 〜 ? (〜してくれる?)”の1文に目をつけることがポイントになる。
・問2は3番目のふきだし内の話の流れ(USBが見つかったこと)を理解し、返答として適切な答え(見つかってよかったね)を選択肢から選ぶ。英語を使った「会話の流れを理解する力」がポイントになる。
英検®️準2級の問題形式
次に英検®︎準2級の筆記試験の問題形式から1問ご紹介します。Eメールが題材です。
設問
問1. Mikeの目的は何か
問2. 科学クラブは何をするか
問3. MikeからAlexへの頼みごとは何か
※実際は選択肢問題
資料
解答のポイント
・Eメール全文を読む必要はない。
・各設問の解答に必要な情報はEメールの1段落ごとに書いてある。
・問1に関しては、タイトルおよび1段落目の”I’d like to 〜 (〜したい)”をヒントに「チャリティーイベントの告知が目的」であることを読み取る。
・問2は「科学クラブは何をするか」をピンポイントで拾う力が求められる。Eメールの2段落目から”science club”を見つけ、彼らが何をするかを読み取る。
・問3はEメールの最後の段落を読めば解答できる。
共通テストと英検®️準2級の問題の共通点
・設問を読んだ上で、解答に必要な情報をショートメッセージまたはEメール内から取ってくる力が求められる。
・1対1(メッセージを送る側と受け取る側の2人)の文章によるコミュニケーションを題材としている。
※ショートメッセージ、Eメール、チャットなど、ツールの種類は重要ではない。
・相手にどう返答するか、相手が何を求めているか、といったコミュニケーションを取る上で重要な情報の受信力や判断力が問われる。
・情報を照らし合わせる「情報処理力」が英語力と同時に必要である。
・細かい「場所」や「時間」よりも、「会話の流れ」を予想したり、理解することがポイントになる。
まとめ
共通テストの「英語」と英検®︎準2級の問題を解くときのポイントはおさえられましたか?英検®︎の過去問を使えば共通テストの対策にもなりそうですね。
シリーズ「共通テストと4技能試験の『英語』の問題をくらべてみた」次回もご期待ください。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。このコンテンツは、公益財団法人 日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。