IELTSを受験予定の皆さん、試験対策は順調ですか?
今回はIELTSライティングの試験対策として、Task1における4つの評価基準と解答のコツを詳しく解説します。「どのような基準でライティングが評価されるのか?」を理解し、それらを意識して対策することがライティングでのスコアアップに繋がります。
ライティングのスコアがなかなか伸びず悩んでいる人は、ぜひ参考にしてください。
IELTSライティング対策をまとめて確認したい方は、「IELTSライティング対策と勉強法:Task1とTask2それぞれ解説」も参考にしてみてください。
目次
ライティングTask1の特徴
IELTSのライティングテストは、罫線の入った解答用紙に手書きで書き込む記述式です。Task1は提示された図表の特徴を理解して自分の言葉で情報を描写、要約、説明をします。問題には折れ線グラフ・円グラフ・表・図解や地図などが出題されます。解答時間の目安は20分です。
スコアが伸びない理由
Task1では約20分で150words以上のライティングを完成させることが求められます。そのため、「20分で書き終われない」「150words以上書くのが難しい」などと、なかなか思うようにスコアが伸びずに悩んでいる人もいると思います。
原因の1つとして、ライティングで求められていることを理解出来ていないことが挙げられます。受験者は採点者がどのような基準で採点をしているのかを把握し、その基準を意識したライティングを心がけることでより高いスコアを目指すことができます。
では、ライティングTask1の評価基準にはどのようなものがあるのでしょうか。
どのようにライティングが評価されるのか?
IELTSの採点者は「IELTSライティングテスト評価基準」と呼ばれる公式のスコアガイドに基づき受験者のライティング能力を評価します。
Task1における評価基準には大きく4つの項目があり、それぞれの項目に基づき採点された後、バンドスコア(0~9)に変換されます。Task1における4つの評価基準は以下になります。
Task1の4つの評価基準
①タスク達成度
(Task Achievement)
②内容の一貫性
(Coherence and Cohesion)
③語彙力
(Lexical Resource)
④文法の知識と適切さ
(Grammatical Range and Accuracy)
IELTS試験の共同開発団体の1つであるBritish Councilは公式ホームページで、IELTS受験者のためにIELTS受験のヒントのビデオを無料配信しており、技能別の評価基準や試験対策のアドバイスをしています。
今回はライティングの評価基準を解説したビデオの内容を参考に、「Task1での4つの評価基準」と「解答のコツ」を以下の問題例にそってご紹介します。
問題例:円グラフ
4つの評価基準と解答のコツ
①タスク達成度をクリアするためのチェックリスト
□設問の要求にすべて答えているか
Task1では以下の設問文が頻繁に出題されます。
”Summarize the information by selecting and reporting the main features and make comparisons where relevant.”
設問文から求められている以下の内容に確実に答えるようにしましょう。
①主な特徴を選び(読み取り)、書き出して情報を要約する
②関連がある部分を比較する
□図表にある重要な情報を読み取ることができているか
図表の情報を見てわかる主な特徴としては、上記の問題例の場合は、「犬を飼っている人の割合が1990年に32%占めており、2010年には43%に増えた。」や「猫を飼っている人の割合が42%から35%に減った。」などが例として挙げられます。
□文頭に図表の概要がわかる(Overview)が含まれているか
ライティングのTask1では、図表の概要が簡潔に書かれた “Overview” が文頭に含まれていることが必須です。”Overview” はエッセイライティングなどでよく耳にする「イントロ(導入)=設問文の言い換え」とは異なり、図表から見てわかる大きな特徴についてのみ1~2文で述べます。上記の問題例の場合、「1990年と2010年で飼っているペットの割合に多少の変化はあるが、犬と猫を飼っている人の割合が大半を占めている。」などと述べることができます。
Overviewを書く際は “In general”(概して) などの表現を用いて、”In general, there are……”などと、今から要点を述べるということが分かるようにするといいかもしれません。
②内容の一貫性をクリアするためのチェックリスト
□文章の内容に一貫性があるか
一貫性とは、初めと終わりで主張やテーマにブレがなく、矛盾のない状態を指します。一貫性のある文章にするためには自分の書いた文章を初めから見直して、「論点や視点がぶれていないか」「論理的であるか」などと問いかけることが大切です。
□論理的に書かれているか
論理的な文章とは、説得力のある文章となっているかどうかです。メインとなる主張の後に根拠となる事実や数字などをあげ、それがどうして主張を支持するのかを説明することで読み手が理解しやすい論理的な文章にすることができます。そのためTask1では「〇〇の割合は〇〇年に〇〇%にまで減った。」や「〇〇年から〇〇年の間に〇〇の割合に変化はない。」など、図表の特徴を具体的に表すことが大切です。また、論理的な文章を書くには、 “because” や “there are three reasons…” などの根拠を表す表現を文中で上手く活用することも大切です。
□接続表現などを活用して、文章や段落に繋がりを持たせているか
論理的な文章とするためには、文と文、段落と段落が論理的に繋がっていることが条件となります。接続詞(”whereas”, “although”, “while”)や接続表現(”in contrast”, “on the other hand”)を意識的に用いることで主張の展開が明確となり、文章の論理性を高めることができます。
語彙力をクリアするためのチェックリスト
□適切で豊富な単語を使うことができているか
グラフ問題の場合、グラフの変化を表す表現(上昇を表す表現)として “increase”(増える)”rise (to)/soar”(上がる、上昇する、高まる)”climb”(上がる、急騰する)などの表現があります。細かいニュアンスの違いを理解して、適切な表現を適切なタイミングで使用することで、高い評価につながります。
□同じ表現を繰り返し使っていないか
同じ表現の使用を避ける対策として、単語を覚える際に同義語を合わせて覚えることをおすすめします。また、同じ意味でも “decrease (to)”(動詞表現)”a decrease (of)” (名詞表現)や、”slight”(形容詞表現)”slightly”(副詞表現)のように、品詞を変えた表現を工夫する方法もあります。
文法の知識と適切さをクリアするためのチェックリスト
□適切な時制を使い分けているか
適切な時制を意識して書くことで、読み手にとって読みやすい文章になることに繋がります。そのためにも、状況によってどの時制を使うのが正しいのか判断できるようになる必要があります。
過去すでに行われたことは過去形、現在行われていることであれば現在形、未来のことや予測するのであれば未来形などと使い分けられるようにしましょう。また、動作や状態の様態によって、完了形や進行形となります。時制には英語特有の使い方もありますので、普段英語を読んだり書いたりする際にこの時制を意識して、時制の感覚を養うようにしましょう。
□単文と複文を文章中で使い分けているか
単文(Simple Sentences)とは1つの節(S+Vの組み合わせがひとつ含まれる)から成る文のことを指します。複文(Complex Sentences)とは2つ以上の節から成り、各節が主述関係にあるものを指します。
単文: I recognized him.
複文:I recognized that he is my old friend.
上記の2つの文を比較してみると、複文の方がrecognizedした内容がより詳細になっています。このようにシンプルな文章に「誰が」「何を」などの情報を付け加えることで、より高度な文章にすることができます。
最後に
今回は、IELTSライティングのTask1でのスコアアップに繋がる4つの評価基準を解説しました。ライティングのスコアがなかなか伸びずに悩んでいる人は、まずは採点者がどのような基準で採点しているのかを理解することが大切かもしれません。皆さんのIELTS受験を心より応援しています!
他のタスクも含めた詳しい試験概要は、以下のIELTSのまとめ記事を参考にしてください。
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