IELTSのスピーキングは面接官と1対1でコミュニケーションを取るため、普段から英語で話す機会が少ない方にとっては難しいかと思われます。そこで今回はハイスコアを取れる人はどういうところができているのかにフォーカスして、高得点取得者の解答の特徴にもとづいた対策法をご紹介します。
目次
IELTSスピーキング問題形式
Part 1 | 自己紹介と受験者自身の家族や趣味などの質問をされます。(4~5分) |
Part 2 | 質問が書かれたカードを手渡され、自分の経験や考えをもとに最大2分間のスピーチを行う。その際、1分間の準備時間が与えられます。スピーチの後には試験官からの1~2の質問に答えます。(3~4分) |
Part 3 | Part 2で話したトピックに関してより深く試験官と話をします。(4~5分) |
採点基準の4つの観点
Fluency and Coherence | 流暢さと内容の一貫性 |
Lexical Resource | 語彙力 |
Grammatical Range and Accuracy | 文法の知識と正確さ |
Pronunciation | 発音 |
ハイスコア取得者の解答の特徴
ハイスコア取得者の解答の特徴を探るため、IELTS公式スコアガイドの解答例に対する採点者のコメントから、スコアバンド6.5~9を取得した受験者に共通する特徴を調べ、採点基準ごとにまとめました。
Fluency and Coherence(流暢さと内容の一貫性)の特徴
maintain flow | 話の筋道がはっきりしている |
length | 断片的でなく、まとまった話になっている |
extended response/develop topic | 話題を自分なりに展開できている |
coherence | 首尾一貫である |
cohesion | 文同士に繋がりがある |
sequence information appropriately | 適切な順序で話せている |
▶︎オススメの対策法
一貫性のあるスピーチをするためには、スピーチの構造を理解し、それに沿ったスピーチをすることが重要です。スピーチの対策は2分スピーチ・解答例をお読みください。
また、fluency(流暢さ)を演出するために、言葉に詰まった時は”I mean,” や “You know,” などを入れることで、無言とならずに話を持続させ、減点を避けることができます。
言葉に詰まった時のお助けフレーズ集
I would like to say… | 〜と言いたいのですが |
I feel like… | 私は〜のように感じます。 |
what I mean is… | 私が言いたいことは〜 |
To be honest… | 正直に言うと〜 |
※多用は禁物です!あくまでも自然な感じで使ってみてください。
Lexical Resource(語彙力)の特徴
less common words | ありきたりではない単語(英検®️準1級以上の難易度の単語) を使っている |
idiomatic language | イディオム表現を使っている |
discourse markers | ディスコースマーカー(接続詞、副詞、前置詞句)を使っている |
linking phrases | 文と文の繋ぎとなるフレーズを使っている |
▶︎オススメの対策法
“less common words”とは、初級の英語学習者があまり使わない(使えない)単語のことを指し、ネイティブがあまり使わない単語と言う意味ではありません。
CEFRによると、IELTSのバンド6.5以上は英検で言うとだいたい準1級以上に相当します。よって、ボキャブラリーを勉強する際は英検®️準1級以上の難易度の単語帳を使うことをオススメします。
また、ディスコースマーカーや繋ぎの表現も重要なので、ぜひエッセイで使える接続表現(序論・結論)をご参照ください。ライティング対策記事ですが、スピーキングの表現としても役立ちます。
Grammatical Range and Accuracy(文法の知識と正確さ)の特徴
aware of style and collocation | 文体と自然な語の繋がりを意識している |
error-free grammatical structure | 文構造に文法的ミスがない |
complex structure | 複雑な文構造を使っている |
not much repetition | 繰り返しが少ない |
not much self-correction | 言い直しが少ない |
▶︎オススメの対策法
“complex structure” とは「主語+述語」を含む文節が2つ以上ある文を指します。”complex structure” を作るための2つの方法をご紹介します。
①関係代名詞を使い、より詳しく説明する
whichなどの関係代名詞を使い、名詞をより詳しく説明することで、”complex structure”を作成することができます。
My favorite local festival is hanami.
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My favorite local festival is hanami which is a Japanese traditional custom of enjoying the scenery of beautiful cherry blossom flowers.
②接続詞で短い文同士を繋げる
短いセンテンス同士を接続詞で繋げることで、”complex structure”を作成することができます。
Majority of hanami spots are located in public parks or shrines. But some people throw theirs trashes on the ground.
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Majority of hanami spots are located in public parks or shrines; however, some people throw theirs trashes on the ground.
Pronunciation(発音)の特徴
a few mispronunce | 発音ミスが少ない |
intonation and contrastive stress | 抑揚や強調がされている |
rhythm | リズムがある |
phonological feature | 音韻を踏んでいる |
▶︎オススメの対策法
“r”と“l”、“v”と“b”、“th”など日本語にはない発音は意識して練習しないと身につきません。ネイティブのような英語の発音を手に入れるシンプルな4つの勉強法とは?では効率よく英語の「音」を学ぶ方法を説明しているので、ぜひご参照ください。
また、英語は抑揚やリズムが大事な言語なので、日本語のように平坦な口調で話すと、何が言いたいのかよくわからない話し方だと捉えられてしまいます。音読のコツ記事も参考にしてください。
最後に
スピーキングは独学ではなかなか成果が実感できず、勉強を継続することが難しい技能だと思いますが、今回ご紹介した特徴と対策法が皆さんのスコアアップに繋がれば嬉しいです。皆さんのIELTS受験を心から応援しています。
※英検®は、公益財団法人 日本英語検定協会の登録商標です。このコンテンツは、公益財団法人日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。