英検®️3級に挑む皆さんへ②教科書から分析した英単語の出題傾向

第2回:学校の教科書から分析した 英単語の出題傾向

教科書から読み取った、品詞別の出題傾向

中学校で目標となっている1,200語とは、どんな英単語なのでしょうか。残念ながら「学習指導要領」には1,200語の具体的な内容は書かれていません。そこで、実際に学校の授業で使われている英語の教科書には、どのような語彙が出てくるか分析してみました。

分析に使うのは、少し古い資料になりますが、中学校でよく使われている6種類の英語教科書を分析した研究調査の報告書*です。

出典元:日野工業高等学園 村岡亮子教諭「中学校検定教科書で学習される語彙、学習されない語彙」(公益財団法人日本英語検定協会英語教育センター第22回「英検研究助成報告書」2010)

学習指導要領で具体的な単語が示されていないこともあって、同じ中学校用の教科書であっても、教科書の種類によって取り上げられている語彙数は違います。対象とした6種類の教科書では、3年間の学習総語彙数は、873~1,126語と結構バラバラです。平均すると1,005語となり、調査当時の学習指導要領が示していた目標となる語彙数の約900語をほぼ満たしています。

次に、この中で最も語彙数が多かった教科書について、中学校3年間のうちにどんな品詞の語がどれくらいあり、何回くらい教科書に登場するかを集計した結果が下の図です。

中学教科書における英単語出現状況

この図から、以下のことがわかります。

①延べ出現回数が多い主な品詞の割合は、名詞+代名詞が33%、動詞が18%、前置詞・冠詞が各10%、副詞が9%、その他が20%。
② 語彙数では、名詞+代名詞が31%、動詞が19%、前置詞4%、冠詞が2%、副詞が12%、連語が9%、その他が23%。
③ 出現数と語彙数の割合がほぼ一致する品詞は、名詞+代名詞、動詞。
④ 出現数と語彙数の割合が大きく異なる(語彙数の割合が少ない)品詞としては、前置詞・冠詞。
⑤ 出現数と語彙数の割合がやや異なる(語彙数が多い)品詞としては、副詞、連語、形容詞、複数品詞。
⑥ 出現数・語彙数とも少ない品詞は、疑問詞、接続詞、数詞、間投詞。

この結果をまとめたのが、以下の表です。

語彙数と出現数

この表から、品詞別の出現数と語彙数がわかります。語彙学習は、品詞によって2つのアプローチ方法を考える必要があり、それぞれに重点を置くことが大切です。

2つのアプローチ

①名詞・動詞・副詞・形容詞・複数品詞・連語については語彙数を増やすこと
②前置詞・冠詞・代名詞・疑問詞・接続詞については用法に習熟すること

またこの研究によると、3年間で定着に効果があると言われている7回以上出会う語彙は全体の24.4%に過ぎず、1~2回しか登場しない語彙が全体の51.7%もあるということです。つまり、教科書の目標である約900語(当時)は確かに登場しますが、そのうち半数は3年間でわずかに1~2回しか出会わない語であるため、教科書による授業だけで目標の英単語数を覚えるのは難しいのが現実です。したがって特に入門期で最も重要な語彙力を強化するためには、当然授業以外の自主的な学習が必要となってきます。

次回予告

今回は過去の教科書のデータから、どの品詞に重点を当てて勉強するか解説しました。次回は実際それらの単語を「どのように」覚えるか紹介します。

※英検®は、公益財団法人日本英語検定協会の登録商標です。このコンテンツは、公益財団法人日本英語検定協会の承認や推奨、その他の検討を受けたものではありません。

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