TOEFL iBTのリーディングパッセージでは学術的(アカデミック)なトピックや単語が扱われるため、「リーディングの背景知識を身につけて、スコアアップしたい!」と思っている方も多いのではないでしょうか?
そこで今回はTOEFL iBTのリーディング対策として、幅広くアカデミックな背景知識を身につけるのに効果的なオススメの学習サイトと利用方法をご紹介します。※試験概要は2019年6月時点のものです。
目次
TOEFL iBTリーディングで求められること
TOEFL iBTのリーディングセクションは受験者の「英語のアカデミックな文章を理解する力」を測定します。文章は大学レベルの文書などから出題されます。
アカデミックな文章と聞くと、「幅広い専門的な知識が必要?!」と思う人も多いかもしれません。しかしテストを主催するETSのTOEFL iBT公式本には、「受験者が設問に解答するのに文章のトピックに関する背景知識は必要ない。」と記述されています。
You do not need any background knowledge about the topics contained in the passages in order to successfully answer the questions.
参照元:Official TOEFL iBT®︎ Tests Second Edition Volume 1
しかし、TOEFL iBTを受験した or 問題を解いてみた経験のある人は、「リーディングセクションではトピックの背景知識がないと理解できない」と感じたことのある人も多いと思います。
背景知識がなくても解ける問題だと記載されていますが、ある程度の教養やボキャブラリーがなくては理解が困難な文章やトピックが多々出題されるように感じます。また、背景知識があれば内容についてすぐイメージできるので、解答が容易になります。
どんなトピックが出題されるの?
では、リーディングパッセージには実際にどんなトピックが出題されるのでしょうか。
TOEFL iBT過去5回分の試験で出題されていたパッセージのトピックを以下に書き出しました。
◉出題トピック例
パッセージ1 | パッセージ2 | パッセージ3 | |
---|---|---|---|
Test 1 | Deer Populations of the Puget Sound (シカの生息状況) | Cave Art in Europe(洞窟壁画) | Petroleum Resources(石油資源) |
Test 2 | Minerals and Plants(鉱物と植物) | The Origin of the Pacific Island People(太平洋諸島に住む人々の起源) | The Cambrian Explosion(カンブリア爆発) |
Test 3 | Powering the Industrial Revolution(産業革命) | William Smith(ウィリアム・スミス) | Infantile Amnesia(幼児期健忘) |
Test 4 | Population and Climate(人口と天候の関係) | Europe in the Twelfth Century(12世紀のヨーロッパ) | What is a community?(コミュニティーとは?) |
Test 5 | Habitats and Chipmunk Species(生息地とシマリス種) | Cetacean Intelligence(クジラの知能) | A Model of Urban Expansion(都市膨張) |
上記から分かるように、自然科学、歴史、社会科学など、リーデイングのトピックは幅広い分野から選ばれています。
このように試験本番ではどの分野からどんなトピックが出題されるか予測できないのが、TOEFL iBTリーディングセクションです。
そのため、日頃からさまざまな分野に関心を持ち、少しずつ知識を増やしていくことが大切ですね。
本記事では幅広くアカデミックな知識を身につけるのに効果的な、オススメの学習サイトと利用方法をご紹介します!
オススメの学習サイト
無料教育動画配信サイト:Crash Course
出典元:CrashCourse
「Crash Course」は教育動画を一般配信するウェブサイトです。さまざまなトピックに関する10~15分の英語による動画を無料で視聴することができるので、スマホやPCなどがあれば、一般的な教養やトピックに触れることができます。
トピックはジャンル別に選べるようになっており、生物学、哲学、神話学、アメリカ史学などさまざまなトピックの中から、より具体的な内容についての動画を選択します。
動画内ではアメリカの高校や大学の講義レベルの単語が使用されるため、教養だけでなく、アカデミックな単語も学習することができます。
サイト内はすべて英語で書かれているので、簡単に使い方を説明します。
サイトの使用方法
1.Crash Course のサイトにアクセスし、「Courses」から好きなコースを選択
コースは21種類以上あり、それぞれのコースでは最低でも20以上のトピックに関する動画を無料で視聴できます。
TOEFL iBTのリーディングパッセージで過去に出たトピックを考慮すると、以下のコースをオススメします。
◉オススメのコース一覧
・Astronomy(天文学)
・Big History(ビッグヒストリー:学術的な手法を用い、長い時間枠・大きな文脈で人間の存在を考える歴史学)
・Biology(生物学)
・Ecology(生態学)
・Economics(経済学)
・Mythology(神話学)
・Philosophy(哲学)
・Physics(物理学)
・Psychology(心理学)
・Sociology(社会学)
・U.S. History(アメリカ史学)
・World History(世界史学)
2. コースの選択をしたら、より具体的なトピック内容を選ぶ
例:コース選択「Ecology(生態学)」→トピック「pollution(汚染)」
3. トピックについての10分程の動画を視聴する
ディスクリプション(動画の説明文)を読む
動画の下に動画のイントロダクションが書かれている場合は、動画を見始める前に読んで動画全体のテーマを把握しておくことをオススメします。
目次の単語を調べる
また、動画によっては目次(Table of Contents)も記載されているので、分からない単語などがあれば事前に調べておくと、動画が理解し易くなるでしょう。
字幕をつける
リーディング対策として活用する場合は、音声の内容が文字で見えるように英語の字幕を付けて視聴することをオススメします。
音声スピードを変える
スピーカーが話す英語が速くて聞き取れない場合は、YouTubeの音声速度変換機能を使って、自分のリスニングレベルに合わせましょう。音声のスピードは、動画右下の設定のアイコンをクリックし、「再生速度」から変えられます。オススメの速度は「0.75」です。
オススメ動画2選
「コースやトピックが多すぎてどの動画から始めればいいのか分からない……」と言う人のために、オススメの動画を2つご紹介します。
Ecology(生態学):Ecosystem Ecology(生態系生態学)
出典元:CrashCourse
「生態系生態学」とは、生態系と環境をひとつの統合的システムととらえる新しい流れの生態学です。最近の環境問題は、この観点から論じられることが多くなっています。
本記事でご紹介したTOEFL iBT過去5回分のリーディングトピックから分かるように、「シカの生息状況」や「シマリスの生息地」などの生態系に関するトピックが頻繁に扱われていました。
まずは、生態学を理解する上では欠かせない生態系について、関連する単語や基礎知識を身につけておくといいかもしれません。
World History(世界史):Industrial Revolution(産業革命)
出典元:CrashCourse
「Industrial Revolution(産業革命)」もTOEFL iBTの過去問で出題されていたトピックです。産業革命は現在の資本主義経済を大きく進展させた要因として、経済や歴史、哲学など幅広い分野で頻繁に話題に登場するキーワードです。
Crash Courseを活用すると、歴史などの難しいと思われやすいテーマでもアニメーションで楽しく学習できるのがいいですね。
まずは気軽に見てみよう!
なじみのないテーマを英語で学ぶというのは、ハードルの高い挑戦です。まずは、興味のありそうなテーマを選んで、気軽な気持ちで見てみることから始めてみましょう。
何度か見ているうちに、英語特有の表現やテーマの捉え方などが分かってくると思います。そうしたら、今度は「学習する」という気持ちで取り組むようにしたらいいのではないでしょうか。「習うより慣れよ」という言葉もありますね。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。今回はTOEFL iBTリーディング対策として、アカデミックな背景知識や単語力を身につけるために質の高い教育動画を無料で配信するウェブサイトと利用方法をご紹介しました。
なお、リーディングのパッセージでは今回紹介したトピック以外も出題されます。また、TOEFL iBTでは現代の社会問題に関わるトピックも多く扱われますので、日頃からニュースなどを読む習慣を付けておき、さまざまなトピックに対するアンテナを立てておきましょう。The Japan TimesやCNNなどのウェブ上で手軽に読めるサイトがオススメです!